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最高のブラウザはどれ? 7強のトップやいかに - ギズモード・ジャパン

ponselutamas.blogspot.com

この際、白状すると…。

プライバシーに気を付けようねって記事で書いてる割には自分はいい加減なもんで、無料アプリのダウンロードは当たり前にやってますし、登録画面でメールアドレスもふつうに入力してます。個人情報リークして海外に売り飛ばされたらどうしよう…と思っても思うだけで終わり。ブラウザのクッキーもあんまり気にしていません。動きを追跡されてもそれで割引き広告が表示されるなら、それくらいのトレードオフはいっかなーと考えてしまうんです。

無論ほめられたものではないし、Web閲覧では絶対真似しちゃダメだけど、最近は個人情報を守るブラウザが続々登場していて、多少読み込みが遅くなってもプライバシー優先のものまであります。心強いですね。

時間の都合上、ここでは次のビッグネーム7つに絞って、デザイン、スピード、プライバシー保護性能を比べてみました

モバイル版と差が出るのもあるけど、比べたのはパソコン版です。公正を期するため、使用マシンは普段使いのMacBook AirAlienware PCにしました。


デザイン

Chrome

20201009Chrome
Screenshot: Shoshana Wodinsky/Gizmodo US
Chromeは全部右上にギュッ。

シェアは不動の第1位。Chromeはシンプルを極めたインターフェイスです。上部にはオムニバー、ブックマーク登録用の星、ウィジェットがあるだけで、要らないものはなんもなし。カスタマイズ好きな人は、ホーム画面をいつでも好きなデザインに変更できます

Safari

20201009Safari
Screenshot: Shoshana Wodinsky/Gizmodo US
Safariはこの上なくシンプル。

Safariも便利な機能があるので、iPhoneやiPad持ちの人はレパートリーに加えたいブラウザです。ブクマ共有以外にも「リーディングリスト」に読みたいページを保存しておけば、パソコンで保存したページをモバイルで開いて読んだり、その逆もできますよ(Chromeにも類似の機能はありますが、利用にはGoogleアカウントが必要)。

Chromeと同じく、サードパーティの拡張機能は豊富に揃っていて、好きなものを入れて自分だけのSafariに変えられます。使いやすいデザインはMacならではですが、カスタマイズはツールバーぐらいしかできないので、秋にmacOS Big Surがリリースになるまでは、自分的にはとりあえずパスだけど。

Edge

20201009Edge
Screenshot: Shoshana Wodinsky/Gizmodo US
Edgeは動線がクリーン。

1月に生まれ変わったMicrosoft Edgeは、Chromeと同じオープンソースのChromiumエンジン採用で、Microsoftストアのみならず、Chromeの拡張機能も全部使えるようになってます。新タブを開いたときのレイアウトは、シンプルにしたり、情報満載にしたり、好みに合わせてカスタマイズ可能。 「フォーカス」は検索バーだけの一番ミニマルデザイン、「インスピレーション」は日替わり写真、「ニュース」はMicrosoftニュースのヘッドライン。あとブラウザ全体をダークモードに切り替えたりもできます。

FireFoxとBrave

20201009FF
Screenshot: Shoshana Wodinsky/Gizmodo US
FireFoxは広告が…ない!
20201009FF_shield
Screenshot: Shoshana Wodinsky/Gizmodo US
Braveはトラッカーも完全ブロック。

スッキリUIはSafariっぽい。でもBrave(ブレイブ)とFirefoxは広告ブロッカーが隠れ兵器で、Braveは広告・トラッカー・Cookieを全部まとめてブロックするShields機能が初期設定でONになってます。手動でOFFにできますが、Cookieは悪用多いのでガードは下げないほうが身のため身のため…。

Tor

Tor(トーア)が目指すのは「使えるブラウザ」です。その役割は果たしています。が、UIはガタガタだし、カスタマイズもまったくできません。Firefox Quantum導入で少々マシにはなったけど今もシンプルなSafariを大昔のダイヤルアップ接続で使っているかのような操作感。

Opera

良くも悪くも異端児。主要ブラウザの定番オムニバー(検索&URL兼用バー)に加え、「1か所でたくさんの操作ができる」(公式ページ)サイドバーがデフォで出るのはOperaだけ。

WhatsappやInstagram、Facebook Messengerのアイコンが左に常駐なので、最初は邪魔くさいなーと思ったけど(なんならTelegram、Twitter、ロシアのSNSのVKも表示可能)、一番よく使うものだけに減らせるので慣れたら結構便利でした。新タブのデザインもChromeみたいにカスタマイズできますが、それでもOpera Neonはふつうの人にはちょっと、とっつきにくいかもしれません。

何も考えずに使える親しみやすいクリーンデザインで、きれいにカスタマイズできるものとなるとベストはやっぱりこれかな…。

デザインで選べば:Chrome


処理スピード

スピードテストは10年くらい前からやってますが、ベンチって人によって測り方違いますよね。自分はシンプルが一番だと思うので、ブラウザの立ち上がりのスピードを測って、タブを1個開いた状態、複数開いた状態の2つで、軽いページ(Wikipedia)、ふつうのページ(Facebook、Amazon)、重いページ(Gizmodo US)を呼び出すのにかかる時間を比べてみました。具体的には、URLを打ち込んでENTERボタン押してから、読込中マークのぐるぐるが止まるまでのタイムです。

一番遅いのは、そう、Tor。これはIPアドレスで身元がばれないように、サーバを何個も経由して海外回ったりしている仕様のせい。想像圏内ですけど、重いページはWindowsで20秒前後、Macだと40秒以上もかかりましたよ。それプラス、ブラウザを立ち上げるたびに情報リレーの「サーキット」がいちいち生成されるので、それにまた10秒ぐらいかかる感じです。

2番目に遅いのがChromeです。タブを何個も開くと25秒以上(!)かかることもザラです。MacもWindowsも。むちゃメモリ食うって噂は本当で、拡張機能を全部外しても結果は同じでした。

BraveとOpera、Firefoxはほぼタイですが、Firefoxのほうが平均0.5秒遅れます。Webサーフィンでは気づかないレベルですけどね。Firefoxは特にサイトをまたぐ追跡(クロスサイトトラッキング、サードパーティCookie)や広告が多いサイトで遅くなる傾向がありました。こういうものを防ぐ仕様だからしょうがないんでしょうね。MacファンがRedditで驚いているように、意外と速いのがSafariで、Javascript多用のサイトでも1秒かからなかったです。Windowsにはダウンロードできないので、比べられないのが残念!

Windowsで比べると、EdgeがBraveより平均0.1秒遅め。でもこれは手作業の誤差かもしれません。また、重いページも軽いページもEdgeは1秒未満で読み込めるので、全体の平均スピードを下げているのは、何個もタブを開くときに出るラグ。

処理スピードで選べば:MacはSafari、WindowsはEdgeとBrave


プライバシー

さーてと、いよいよお待ちかねのプライバシーです。最近はプライバシー重視のブラウザが注目なので、これ目当てで読んでる人も多いんじゃないでしょうか。まあ、ひと口にプライバシーと言っても定義はさまざまです。ブラウザ、アプリ、会社、みんなプライバシー保護を売りにしているけど、データ匿名化で個人が特定できないかと思ったら、思いきり特定できるという研究報告もあるご時世。会社側の定義と実態はわけてシビアに見ていきたいですよね。

まず最初に注目なのが、サードパーティCookieのブロックです。これはChromeSafariも最新版で実装しています。ただ、ChromeはブロックしてもGoogleに行動は追跡されるので、いくら閲覧履歴を消しても、シークレットモードに切り替えても完全にシークレットにはならないって情報も…。ではAppleは大丈夫なのかというと、これもトラッキング予防技術を不正操作して個人情報を理論上は抽出できちゃうと競合Googleのリサーチャーたちは言っています(競合同士の粗探しかもですが)。

Operaは広告やトラッカーをブロックするのが初期設定になっています。無料・無制限のVPNサービスまで提供してプライバシー保護を謳っているわけですが、第三者にデータが渡らないかどうかが今ひとつ不透明。

一方、Edgeは、端末にブラウザ情報を紐づけることを義務化して批判された過去あり。FirefoxとBraveは、プライバシー重視のブラウザですが、6月にBraveのほうはアドレスバーにURLを打ち込むとBraveのアフィリエイトコードを自動挿入してアフィ収入を稼いでいたことが発覚しましたし、Firefoxも今年は不正のエビデンスが続々見つかって、Cookieではなくテレメトリデータを保存してプラットフォームのバグを監視する対処をしました。ただ、これもデータ単体では個人の身元を特定することはできないものの、匿名化はあっさり解除できるという実証結果もあります。また、モバイルではFirefoxが外部の広告会社やデータブローカーにこうした情報を共有していることがわかっています。データ匿名化もすぐ解除できることがわかってます。バグからプラットフォームを守りながら、同時に利用者のプライバシーも守るのは、どのブラウザも両立が難しそうです。

そんなわけでプライバシーに敏感な人たちが使ってるブラウザのTorが情報保持は一番信頼できそうです。初期設定でCookieやトラッカーをブロックはしませんが、閲覧セッションごとに新しいIDにコロコロ変えることもできるので、追跡する身元すらないのがTorなのです。このオプションは次の手順で利用できます。

  • タブをすべて閉じる
  • キャッシュ、履歴、ほぼすべてのCookieをクリアにする
  • 新規リレー、新規IPアドレスでセッションを開始する

新しいIDにしてもCookieが全部自動クリアにはならないけど、「プライバシーとセキュリティ」で手動でクリアすることができます。

プライバシーのベスト:Tor


まとめ

全部満点のものはないので、けっきょく自分がどれを重視するかですよね。Chromeは容量大食いだけどキレイ。Torは遅いけどプライバシー最強。見た目とプライバシーを両得できるBraveは、スピードテストでもWindowsでEdgeに並ぶ速さで満足度は高いです。MacのSafariにも同じことが言えますが、どちらも完ぺきというわけじゃないので今後に期待、ですね。「こんなブラウザもあったのか!」という人はたまには浮気してみると新しい発見があるかもしれません。

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