川崎市市民ミュージアム 戦前の漫画など26万点の収蔵庫が浸水

台風19号の影響で浸水し休館が続いている、川崎市の博物館と美術館の複合施設で、貴重な絵画や戦前の漫画本などおよそ26万点を収めた9つの収蔵庫がすべて浸水していたことが分かりました。

台風19号の影響で、川崎市は中原区や高津区などで少なくとも1685棟が浸水し、公共施設も被害を受けました。

このうち博物館と美術館の複合施設「川崎市市民ミュージアム」は、地下の電気設備などが浸水して停電しているため、休館にしてポンプ車による排水作業が続けられています。

さらに地下には、貴重な絵画や戦前の漫画本、それに古文書などおよそ26万点が保管されている収蔵庫もあり、排水作業が進んだことから、職員が中を調べたところ、9つの収蔵庫がすべて浸水していたことがわかりました。

台風の接近を前に、地下の扉の前に土のうを積んで備えたということですが、床から高さ2メートルほどまで浸水した場所もあったということで、収蔵庫の扉が壊れたり棚が崩れたりしていて、収蔵品の多くが水につかったとみられています。

市は今後、文化庁に専門家の派遣を求めるなど支援を要請し、対応策を検討することにしています。
川崎市市民文化振興室の永石健課長は「内部が暗く、詳細が確認できていないが、楽観視できない状態だ。学芸員などを中心に、国とも連携して対応したい」と話していました。