文部科学省は7月13日、中学生が学校に携帯電話を持ち込むことを、条件付きで許可する方針を決めた。携帯電話の普及率が上がっていることや、登下校時の連絡手段として使いたいと保護者からの要望があることを踏まえて決定した。7月中に全国の教育委員会に通知する。
同省は13日の「学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議」で「審議のまとめ案」を作成。これまで中学校では携帯電話の持ち込みを原則禁止としていた。今回の議論で、学校や教育委員会が携帯電話の持ち込みで発生すると考えられる課題について適切に検討し、必要な措置が整備できれば持ち込みを認める。
条件付きで持ち込みが認められるのは、連絡が主な機能であるフィーチャーフォン、スマートフォン、子供向け携帯。携帯ゲーム機や音楽プレーヤー、タブレット端末などは連絡が主目的のデバイスではないため、学校が配布する学習用端末をのぞいて持ち込みを原則認めない。
持ち込みを認める条件は「保護者が緊急連絡手段として携帯電話の持ち込みを求める場合」「学校での携帯電話の管理方法や、紛失などのトラブル発生時の責任の所在を明確化している」「保護者がフィルタリングを適切に設定している」「携帯の正しい使い方や危険性について学校や家庭で適切に指導している」など。
携帯電話の持ち込みには課題も残る。校内での携帯電話の紛失、盗難、破損のおそれやそれに伴う責任問題、盗撮や校内での歩きスマホ、授業の妨げになるような使用、ネット依存、携帯電話を持っている生徒と持っていない生徒との間で生まれる差などだ。
文部科学省は各学校に求める対応として、学校での携帯電話の取り扱いについて子供や保護者と学校関係者が一緒にルール作りを行うことや、責任の所在について書いた同意書の提出、携帯電話の保管方法の検討などを挙げている。
同省は、学校への携帯電話の持ち込みについて2019年5月に検討を開始。携帯電話の普及が進んでいることや、保護者から災害や犯罪に巻き込まれたときのため、登下校時の連絡手段として携帯電話を持たせたいというニーズがあることから検討を進めてきた。
携帯電話を持ち込みたいというニーズが高まっているにもかかわらず、持ち込みを禁止したままでは生徒が無許可でスマートフォンなどを持ち込み、紛失や授業の妨げにつながるなどの問題になるという懸念もあったという。
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